「社会人インターンシップ」には、本業に支障なく参加できる1Dayインターンから、本業の合間を縫って本格的に仕事に関わる短期、長期インターンまでさまざまなスタイルがあります。それぞれの特徴を知って、自分に合ったインターンシップを見つけてみましょう。
最近、特に注目されているのが、1日1回限りで完結する1Dayインターン。内容は、「1対1またはグループでのディスカッション」「ワークショップ」などのスタイルで行われるのが一般的です。1Dayインターンを実施する主体は、名前の知られた大企業もあれば、数名で立ち上げたばかりのスタートアップ企業の場合もあります。また、企業ではなくNPOなどの団体が開催することもあります。開催場所は、企業の会議室や貸し会議室、シェアオフィス、参加者が希望するエリアのカフェ他、オンライン上で実施することもあります。
1Dayインターンはほとんどの場合、平日の夕方以降や、土日など、本業に支障のない時間に行われます。時間は、短くて30分~長くて半日程度に設定されています。
「サンカク」が1Dayインターンの実施に力を入れているのは、参加のハードルを低くすることで、多くの参加者と企業にインターンシップを体験してほしいという願いがあるからです。そのため、今の会社を辞めなくても、現在の仕事を続けたまま「気になる企業の課題」や「気になるテーマの未来」などについて、ディスカッションやワークショップなどの形で参画できるインターンシップを多数実施しています。
1Dayインターンの内容やスタイル、かかる時間は実施する企業によって異なりますが、主に3つの種類にわけられます。「サンカク」のインターンシップを例に、もう少し詳しく見てみましょう。
設定されたテーマに関する意見・情報交換やアイデアのディスカッションを行います。企業側と参加者との1対1となるため、中身の濃い議論を交わすことができます。参加者が何らかの専門家であるときは企業の側が情報やアドバイスを受け取るインタビューに近い形式になります。時間は、30分~1時間程度。
参加者数名がグループでディスカッションを行います。バックグラウンドの違う人同士が議論することでお互いに刺激し合い、その場から新たなアイデアや気づきが生まれることも多い形式です。時間は、1~3時間程度。
参加者数名がグループになり、テーマに沿って話し合ったり、作業をしたりします。ゴールとして販促プラン・キャッチフレーズ・デザイン・プログラムなど、一定のアウトプットを出すことが求められることもあります。3時間~6時間ほどかけてじっくり成果を出すスタイルです。
1Dayインターンの最大のメリットは、「参加しやすい」ことです。開催日程は平日の夜または土日で、事前準備などをあまり必要としない内容のものがほとんどです。興味・関心を持った案件に気軽に応募できます。2点目のメリットは、超短期であるがゆえに、多くの企業との接点を持つことができる点です。「A社とB社を比較するとA社の方が自分の考え方と合いそうだ」「A社では自分の知識を評価してもらえたが、B社では新しい提案に対して評価を得られた」など、複数のインターンシップでの実体験を通して、自分と企業との相対的な距離感がわかり、同時に自分の価値を再発見することができます。そして、最も気になる「現在の自分の能力・スキルは他社でどこまで通用するのか」という疑問にも客観的な答えが得られるはずです。
1Dayインターンのデメリットは、1日で終了してしまうため、関わった企業についてもっと深く知りたい、もっと学びたいと思ってもその機会が得られないことです。インターンシップ終了後に「もっと関わりたかった」という物足りなさを感じてしまうこともあるかもしれません。そんな人は次のアクションとして、他企業の1Dayインターンをいくつか体験してみるか、あるいは、この後に紹介する短期、長期インターンにチャレンジするといった選択肢も考えられます。
また、1Dayインターンから生まれるチャンスもあります。「サンカク」では、初回のディスカッション後に、参加した企業の新規事業の立ち上げや既存事業の成長に関わるようになるなど、継続的な関係につながったケースもあります。
「サンカク」が提供している1Dayインターンは、ワークショップやディスカッション、インタビューの主に3種類にわけられることを先ほど紹介しました。いずれも、「ディスカッションの場」を設け、他者と意見交換する機会に重点を置いています。その理由は以下の2点です。
1)バックグラウンドの違う人同士が自由に意見交換することで、企業は当初想定していた以上に優れたアイデアや、違う観点からの気づきなどを得られる可能性がある
2)参加者はディスカッションを通じて良いことも悪いことも両面のフィードバックを受け取ることにより、客観的な評価に基づく自信を得たり、成長への動機づけができたりする
上記のことを念頭に、どうしたら質の高い議論ができるか、1Dayインターンの企画・運営の際は、ディスカッション設計にとことんこだわっています。
ディスカッションのテーマはさまざまですが、例えば、以下のような案件です。
・急成長中である企業A社の経営管理の強化についてディスカッション
・B社が提供するアプリのUI/UXについてのアイデアをディスカッション
・大手企業C社のSaaSプロダクトに関して、データプランニングの手法で改善アイデアを出し合うワークショップ
このように紹介すると、専門知識がないと参加できないのでは?と思われるかもしれません。しかし企業が求めているのは特定分野の知識だけではありません。「マーケティング」「ビッグデータ」「UI/UX」などの分野について、仕事の経験はなくても“興味・関心がある”人であれば歓迎、としている案件もあります。これは誰でも参加しやすくするための配慮というだけではなく、メンバーの多様性が重視されるからです。ディスカッションは、立場や得意分野が大きく違った人同士の方がむしろダイナミックに展開します。普段とは違う化学反応が起きることにより、予想を超えるアイデアが生まれる、そんな1Dayインターンならではの果実が期待されている場合も多いのです。
「この案件について自分は知識が不足しているから」とためらわずに、自分が興味・関心を持てるインターンシップに気軽にエントリーしてみることをおすすめします。
もちろん、プログラミング・デザイン・採用人事などの専門スキルを持った人を歓迎する案件も多数あります。「自分のスキルが他の企業にも通用するか試したい」「社会貢献したい」と思う人は、そうした案件にチャレンジしましょう。
「サンカク」では気になる企業のインターンシップ案件を探し、エントリーをすることが可能です。自分が「成長企業の現場に参画したらどうなるのか?」を体験するために、まずは気軽に登録・エントリーしてみてはいかがでしょうか。
短期インターンとは、数日~数週間程度に期間を限定して行われるインターンシップです。平日昼間に実施される場合や、毎週末の土日を使って一定期間、継続的に実施される場合などがあります。平日昼間に実施される短期インターンに本業を持ったまま参加する場合は、有給休暇や長期休暇を利用することになります。
短期インターンの場合、相手先企業の実務を体験するスタイルが一般的ですが、特定の部署を数日~数週間継続して経験し、その事業部門について深く学ぶスタイルや、営業・経理・製造・開発など、その企業の各事業部門を一通り体験して、企業の全体像を広く浅く学ぶスタイルなど、企業によって内容は異なります。例えば、プログラム開発やマーケティング、営業、ライター・編集、税務、会計、コンサルティングなど、特定の業務に限って募集しているケースも多数あります。経験ありを条件としているケースばかりでなく、未経験可もあります。また、平日昼間に実施されるものの中には、例えば、農業を体験してコミュニティ作りの企画立案をしたり、地域のニーズを調査して、販売戦略を立てたりするなど、その業種全体を見通して関わることのできる内容のものもあります。また、期間内に与えられた課題に対して、一定の成果を上げることが求められるなどのケースでは、短期インターンにおいても報酬が発生する場合があります。
短期インターンのメリットは、本業以外で自分自身の経験の幅を広げ、スキルアップにつなげられる可能性があることです。 例えば、常時外国人と一緒に英語で仕事をする職場、営業職だが本業とは違うプロダクツを扱う職場など、自分の目的に合った業種や職種を選んで、一定の経験を積むことができます。 また、インターンシップで参加する企業や業種を転職先の候補としている場合は、転職を決断する前に「そこで自分がやっていけるかどうか」を見極めることが可能です。
一方、短期インターンのデメリットは、時間的な拘束が長く、時には結果を求められることもあるなど、本業への支障をきたす可能性がある点です。
短期インターンを成功させるポイントは、自分がそこで何を得たいかという目的を明確にして参加することと、余裕を持ったスケジューリングをすることの2点です。
長期インターンとは、数カ月~1年、またはそれ以上継続して実施されるインターンシップのことです。期間は6カ月など、あらかじめ決められている有期のものと、特に期間の定めがなく両者の合意があれば1年以上継続する可能性もある無期のスタイルとがあります。
1dayや短期の社会人のインターンシップで得られる価値は、企業と参加者との出会いや関わり合いによって生まれる刺激・アイデア・気づきなどですが、長期インターンでは当然、それ以上の成果が求められます。企業は参加者を本格的な戦力とみなし、事業に貢献し一定の実績を出すことを求めます。一方、参加者はインターンシップの過程で事業についての知識・体験を深めることができます。企業の社員とも頻繁にコミュニケーションを取り、連帯感ややりがいを感じることでしょう。
社会人のインターンシップにおける長期インターンの位置づけは、ダブルワークや副業的なスタイルに近いものになります。企業側も一定の成果を求めるわけですから、雇用契約のもとで給与を支払ったり、業務委託契約のもとで委託料を支払ったりするケースが多くなります。通常は本業の傍ら、土日や平日の夕方を使って企業にコミットします。
報酬を得る長期インターンと一般的なダブルワークとの違いとは何でしょうか。大きく違うのは主たる目的です。ダブルワークは多くの場合、収入を得ることが目的ですが、長期インターンの最大の目的は、インターン先の企業環境で新たなスキル・能力を習得したり、実務を経験したりすることで得られるさまざまな経験です。
とはいえ、長期インターンをすることで副収入が得られることは一つのメリットといえます。報酬は自分への評価と期待の表れでもあるため、モチベーションアップにもつながります。もう一つのメリットは、所属する企業・業種・事業部門について深く専門的な経験と知識を得られることです。自分が長期インターンに参加するにあたり目標を明確にして実践していけば、それに見合う果実を得られることでしょう。
一方、長期インターンのデメリットは、本業との両立が厳しいということです。長期でインターンシップを継続することは時間的にも体力・精神的にもかなりの負担となります。参加するインターンシップを選ぶ段階では、長期にわたって自分が本業・インターンシップ先どちらに対しても責任を全うできるかどうかについて、慎重に検討して決める必要があるでしょう。なお、企業によっては、兼業などを禁止している場合があります。長期インターンを行う際は、本業企業の兼業禁止規定などに抵触しないかどうか、自分で就業規則の規定などを十分に確認することをおすすめします。
ここまで、社会人のインターンシップには実施期間により1Day・短期・長期と種類があることと、それぞれのメリットやデメリットについて紹介してきました。期間が異なることで、社会人のインターンシップの目的や得られる成果は違ってきます。ここで、それぞれの種類ごとに向いている人はどんなタイプかについてまとめましょう。
超短期のインターンシップは参加へのハードルが低く、参加することによって多くの人に出会うことができます。そのことで刺激を受け、将来のキャリア形成に役立つ多くのヒントを得られます。
数日~数週間程度の短期インターンでは、短期間ではあるがまとまった時間を取り、集中してインターンシップを体験できます。自分が習得したいと思うスキルを学んだり、業界・業種の知識や経験を一定レベルまで蓄積したりすることが可能です。
長期インターンでは給与など何らかの報酬が支払われる場合が多く、その分、参加者は一定の成果を出すことが求められます。本業との兼業でダブルワークのようなスタイルとなりますが、重要なのはそこで得られるスキル・知識・経験です。
ご紹介してきたように、社会人インターンシップにチャレンジしてみたい人はまず、参加しやすい1Dayインターンからエントリーしてみることがおすすめです。短期や長期のインターンを目指す人も、まず1Dayインターンで現場の雰囲気を体感しておくことで、自分に合ったインターンシップ選びに役立てることができます。
「サンカク」は、1Dayインターンを提供する企業と、参加してみたい人とをつなぐサービスです。「サンカク」を使って、気になる企業のディスカッションに気軽に参加してみませんか?
ご紹介しているインターンシップの内容は主に30分~数時間で完了するディスカッションやワークショップ形式。参画のための条件として、特別なスキルが要求されない案件の割合が多く、社会人経験が少ない方や募集企業とは異なる業界・業種の方でも利用しやすいことが特徴です。
個人にとっては参加しやすく、企業にとっては開催しやすい1Dayインターンにより、企業と参加者ができるだけ多くの接点を持ってほしい。そしてインターンシップ参加者は体験を通じて自信を得て、次の成長へのステップアップを図ってほしいというのが、情報を提供する「サンカク」の願いです。