先日2019年1月27日に、東京海上日動火災保険株式会社(以降、東京海上日動)の本社1階のホールで、「事業開発アイデアソンイベント」が開催された。集まったのは、様々なバックグラウンドを持つ25名の社会人たち。
なぜこのイベントの開催に至ったのか?イベント開催背景となる、東京海上日動の新規事業戦略と今後の展望など、裏側にも迫りたい。
クラウドファンディングは、革新的・創造的なアイデア・取り組みを実現するための新たな手段として活用されているが、一方で「自分が応援した資金がちゃんと活用されるのか?」「約束の返礼品はちゃんと届けられるのか?」など、その新規性がゆえになかなか個人が気軽に支援へと参加できていない現状もあった。参加者の支援が伸びなければプロジェクトのオーナーも十分な資金を集められないし、CAMP FIREとしてもプラットフォームの維持が困難になる可能性もある。そうした不安・困りごとを、リスクに対する知見を持つ東京海上日動がCAMP FIREと提携しサービスを提供することで軽減・解消を可能にしたのだ。
この取り組みでの注目点は「プラットフォーマ―との協業」だろう。通常「保険」と聞くと「対象者本人のリスクに対して、本人あるいは本人に近しい存在が購入するサービス」というイメージが強いが、このサービスは、プロジェクトのオーナーも、支援者も追加の費用は発生しない。CAMP FIREが東京海上日動と保険契約を結び、該当する事態が発生した場合には、CAMP FIREを通じて被害にあった支援者に対し保険金が支払われる。直接的に東京海上日動が保険を提供するのではなく、中間にプラットフォーマ―というプレイヤーが存在することで、支援者、プロジェクトオーナー、CAMP FIRE、そして東京海上日動の四方よしのサービスが成立したのである。
イベント当日では、各チーム4~5人のテーブルに別れ、東京海上日動の社員も交えて新事業の検討を行った。必要となる観点は「創造性」と「社会性」の二つ。単に目新しいものではなく、誰のどのような課題を解決するサービスなのか?というところがポイントとなる。実際に集まった人々は、保険業界を経験したことがない人が多かったとのこと。アイデアソンは盛り上がったのだろうか?
「イベント当日では想定していたディスカッション時間では足りないくらい盛り上がりました。やはり、みなさんが所属する企業・業界や職種などがバラバラだったので、様々な意見が上がりましたね。弊社の社員も一緒に参加させていただきましたが、保険という領域のルールや注意すべき点などについては社員が知見を持っていますので、建設的な議論がなされたように思います。一方で、我々では思いつかないようなアイデアや、気づかない視点など多くの意見をお聞きできたことは、非常に大きな学びになりました。今後も、イベントに限らず様々な方とのつながりを増やし、新しいビジネスの兆しを模索していきたいと思っています。もしこのアイデアソンに興味を持っていただけたなら、ぜひ次回のイベントにご応募いただきたいですね。」