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新たな「サンカク」スタイル──1Dayディスカッションから継続してプランニング、社長への決裁プレゼンを行った5人のマーケ・営業戦略公開!

Posted by サンカクラボ

企業の経営課題に対して、経営者や担当者とディスカッションできる「サンカク」。通常は1日限りのディスカッションでアイデアや知見を共有することを基本形としていたが、今回は企業との継続的なサンカクを前提とした試みを行った。

※発表者のご経歴は2016年11月時点のものとなります

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まずは通常通りに1Dayのグループディスカッションでブレストを実施。企業側と参加者双方に継続の意思があればマッチング成約となり、そのアイデアを約1カ月で実行可能な戦略に落とし込んでいく。社員1名がメンターとして伴走し、週に1時間のメンタリングも行うというプログラムだ。具体的にプランニングされた戦略は、実際に社長に対してプレゼンを行い、継続検討や実施について決裁を取ることができる。

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今回の題材となったのは、ソネット・メディア・ネットワークス社のアドテク商品である「Logicad TVCMリアルタイム連動広告(以下、TVCMリアルタイム連動広告)」のマーケティング戦略に対する改善と強化。TVCMリアルタイム連動広告とはソニーグループのCM自動認識技術を活用し、TVのCM放映タイミングに合わせて、視聴者のスマホやパソコンに対してリアルタイムに商材のWEB広告を配信するというCM連動型のサービスである。

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TVCMとのリアルタイム連動による「認知向上」を訴求ポイントとしているが、現状事業として想定よりもグロースできておらず、マーケティング戦略の改善と強化を必要としている。

【ソネット・メディア・ネットワークスの課題案件】
ソニーで培った人工知能技術を用いたCM連動型アドテク商品のマーケティング戦略についてディスカッション!

この課題に対し、約1カ月間のプランニング期間でマーケティングや販売戦略を作り上げ、厳正な審査を経て、決裁プレゼンまで勝ち残ってきたのは5名。彼らがどのような戦略を掲げ、プレゼンを行ったのか。10月26日と11月29日の2回に渡って開催された決裁プレゼン「DemoDay」の様子をお伝えする。

プレゼンを受け、提案を審査・検討するのは、ソネットメディアネットワークスの社長をはじめ、執行役員2名、サンカク事務局を務めてくださった社員3名だ。

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■年末年始に需要が激増するピザ配達サービスで成功事例を作る

初回の「DemoDay」にトップバッターでプレゼンを行ってくれたのは、大手印刷会社の広報部で、自社の企業ブランディングやサービスの広報・販促などを担当した後、事業戦略に携わっている土山晴矢氏。

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TVCMリアルタイム連動型広告の広告市場におけるサービス認知度の低さを現状の課題だと指摘。サービス価値の理解促進を図るために、以下の3つを取るべきアクションとして挙げた。

  1. 一見で商品の価値が伝わる「キラー事例」を作る
  2. 伝える先を増やす
  3. 伝える手段を増やす

「キラー事例を作る」については、直近のクリスマスシーズン(発表当時は10月末)に出稿が増えるピザCMを具体的な事例として挙げ、それに連動する形で広告配信する施策など、聞き手が直観的に効果を想像しやすいレベルにまで施策案を深掘っていた。また、「伝え先を増やす」、「伝える手段を増やす」については、前述の事例をプレスリリースし、「価値訴求」を中心とした、「PR強化」「広告主、広告代理店営業・スタッフへのアプローチを強化する」、「外部イベントへのセミナー登壇やブース出展で認知を上げる」といった、具体的なアクションプランを提示した。

最後にKPI設定やプロジェクトチームの体制、実施スケジュール案などを提案し、スモールスタートとして、彼の得意領域でもあり、この戦略の肝となる「キラー事例をつくってPR強化」に対する実行のジャッジを求め、プレゼンを終えた。

■TVCMリアルタイム連動広告の「価値」と「戦場」を変えることで拡販を図る

2番手としてプレゼンを行ったのは、大手広告会社に勤務する木本達也氏。ダイレクト広告主を中心に、統合的なデジタルマーケティングに従事。パフォーマンス最適化だけでなく、クリエーティブのサポートからメディア開発にも携わっているという。

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木本氏も現状の課題として、TVCMリアルタイム連動広告の価値認知度の低さや競合の多さから広告主や代理店に選定されにくい点を指摘する。

それらの課題に対して取るべき具体的な提案として、TVCMリアルタイム連動広告の「新たな可能性について話をしたい」と切り出す木本氏。その可能性とは「価値を変える」「戦場を変える」の2つだという。

具体的には、TVCMとリアルタイムに連動することによるCTR上昇を「TVCMが届いたことに起因するもの」とした上で、さらに商品を「メディア」ではなく「計測ツール」としてポジショニングごと変更することを提案し、当案を推進すべきかどうかを判断いただきたいと訴えた。

■クライアント側担当のペルソナで現状分析、事実ベースのシンプルなストーリーを提案

3番目にプレゼンしたのは、大手通信代理店・リアルアフィリエイト・ITベンチャー、高級タイムセール事業などの事業会社で、現場営業でのトップセールス、商品企画や事業戦略、新規事業の立ち上げ、ベンチャー経営などのキャリアを経て、直近は大手ITメディアの価格比較サイトにおけるビジネス開発や経営戦略・経営企画に携わっていたという中塚薫氏。

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中塚氏はWEB広告業界における新たな広告サービスに対する難易度を、広告出稿を依頼する企業の実務担当者をモデルに分析し、彼らが何を考え、どうすれば彼らが決裁を取れるか?という視点から、現実的に刺さる見せ方の提案スタイルを紹介。さらに、担当者たちの本音や現状・ニーズをシンプルにまとめた。

TVCMリアルタイム連動広告について、興味関心度は高いものの、商品理解に至るまでの情報量が多く、期待効果の説明の難度、社内調整のコストといった課題を指摘。

そこで利用シーンを、わかりやすい効果を出せる「WEB誘導型CM」に特化して、販売活動を展開し、まずは実績を作るべきと提案した。

セールスポイントも、利用シーンを絞ることによって「CM予算全体の費用対効果改善」になるソリューションであるとシンプルに伝えることが可能になる。

具体的なアクションプランは、まずはテストクライアントでのABテスト。そこで得られた実績ベースの優位性を媒体資料に反映、具体的には、訴求内容を「CM費用の費用対効果○○倍」というシンプルな変更することが骨子である。加えて、マニュアル整備や研修、インセンティブ制度による直販部隊の強化など、自身の経験に裏打ちされた力強いストーリーを補足して戦略を描いた。

最後にアドバイザーとして参加したい旨と、その諸条件などを提示した。

■"ながら"視聴者へのアプローチが見込める他社協業を提案

4番手は、東京ニュース通信社にて記者職、編集職、アクトビラ(2016年11月時点)にて、VODのアライアンス、運用、PR編成、サービス企画などのキャリアを積んできたという岩井義和氏。

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岩井氏はテレビの"ながら"視聴者や「CMも見た」視聴者割合を推計できていないことや、連動元となるテレビCMの「ターゲット到達状況」を推計していないことが営業の際のボトルネックになる可能性を指摘した。

そこで、テレビCMの到達状況をリアルタイムに把握できるようにプロダクトを進化させる方法を探ってみたという岩井氏。具体的には、テレビCMやテレビ番組の到達度を、独自の計測方法により評価するソリューションを提供するスタートアップ企業との協業を提案。

WEB広告の配信情報と、そのスタートアップ企業が保有する情報を掛け合わせることで、WEB広告の運用精度を高められる可能性を示唆した。

発表時には、CM連動商品の他社協業について裁可を求めるとともに、連携までのスケジュールなどを説明し、補足として競合サービスやテレビCMの新しい評価手法などについて説明を行った。

■ダイレクトマーケティングで売り上げ改善を目指す

2回目のDamodayでプレゼンを行ったのは、中山慶春氏。この日勝ち進んだのは、たった一人だけである。中山氏は広告代理店でキャリアを積んだ後、外資系保険会社の通販部門でマスメディアを担当し、ダイレクトビジネスを経験。その後も別会社でのダイレクト事業新規立ち上げに携わってきた。

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中山氏は、今回の活動の中で、新たな協業先の模索など、様々な方面で検討を進めたが、最終的に、「奇抜なアイディアよりも、強い提案をすべき」と、自身の経験に裏打ちされたダイレクトマーケティングに基づく販売戦略を提案した。

それゆえ、専門サイトのメルマガ出稿や定期的なセミナー開催、誘導先のLPOなど、実行性を意識した施策を提案し、提案を聞いた側からも「具体的にイメージが湧く」という声が上がった。

決裁を仰ぎたい内容としては具体的な売上目標と、それにかかるコストを提示した。

ソネット・メディア・ネットワークス社の講評

今回のサンカクの取り組みに対し、ソネット・メディア・ネットワークスのメンバーは、「参加者の誰もが熱心に他社の製品にも関わらず、真剣に取り組んでくれたことがうれしくもあり、驚きである」と語った。

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最後に、ブレストでのアドバイスから1カ月のメンターも務めてくれたメンバーからは、「いい刺激になったし、商品のプレゼンの練習にもなった」と感謝の言葉を述べてくれた。

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今後もサンカクでは、企業の経営課題に対して継続的な参画ができるような取り組みを行っていきたいと考えているので、興味を抱いた方はぜひ次回のチャレンジを!