サンカクラボ

「僕が使いたいサービスしか、作らないという選択」レレレ山本大策氏の生き方(前編)

Posted by サンカクラボ

ネット上で自分の空き時間を売れるサービス、TimeTicket[タイムチケット]。ローンチ時にはFacebook上でも大きな反響を呼び、現在1,300枚ものチケットが購入されているなど人気のサービスとなっている。

このサービスを展開するのが、株式会社レレレ。その代表取締役である山本大策氏は、リクルートメディアテクノロジーラボに在籍しながら、1対1で気軽にお茶ができる“CoffeeMeeting[コーヒーミーティング]”という人気サービスを開発したという実績も持っている。

まさに、会社にいながら独立した、パラレルキャリアの実践者でもある山本氏。そんな同氏に今回、会社を出て新しい挑戦をすることの意義を伺った。

「どうして僕はmixiのようなサービスをつくれないのか?」

- 本日は忙しい中、ありがとうございます。まずは山本さんのこれまでのキャリアについてお聞かせいただければと思います。

山本:僕のキャリアは、就職氷河期と言われた2001年、銀行系のシステムエンジニアとしてスタートしました。当初は顧客となる銀行側と日程調整などがメインで、開発以外の業務が大半でしたね。

正直、スキルが身に付く気配がなかったので、「プログラミングをやらせてくれ!」と上司に言い続けて、無事、技術系の仕事に回してもらいました。

徐々にプログラミングを学んで開発も出来るようになった頃ですかね、mixiやGREEといったtoC向けのサービスの台頭が加速していたんです。彼らのサービスと自分が作っているサービスは技術的には似ているものの、どうしてこんなにも違うのだと衝撃を受けましたね。その時、初めて転職を考えました。

- 確かに当時はモバゲーしかり、ものすごい勢いでtoC向けのエンタメ系サービスが生まれていましたね。そこから山本さんはどういう行動をとられたのですか?

山本:一応、色々作れるまで技術レベルは上がっていたので、RSSリーダーと企業向けの社内ブログを作っている会社に籍を移しました。自社サービスということもあり、ユーザーや企業向けにサービスを売るという仕事は以前より楽しかったですね。

この頃からですかね、個人としてサービスを作り始めたのも。当時、エンジニアがサービスを開発してブログ上で発表することが盛んだった時期で、それに触発されて自分もサービスを作っては開発コンテストに応募し、賞を獲ったりもしました。

個人としてのサービスの企画に自信がつきましたけど、賞を獲ったからと言って全然広まらず。「どうして自分のサービスは、mixiみたいになれないんだ?」と、悩みましたね。デザインやユーザーニーズの捉え方などを、海外サービスを参考に学習していた時期ですね。

会社ではつくれない、自分だけがつくれるサービスがきっとある。

- そこからリクルートに転職されましたよね?リクルートではどのような仕事をされていたのでしょうか?

山本:リクルートに転職し、配属されたのがメディアテクノロジーラボでした。ここでは主に自分の企画でサービスを作らせてもらえましたね。名前の通り、研究目的で思いついたものをバンバン出していく方式でスピード感はたまらなかったですね。

- そんな風に、楽しいと思える環境でもレレレを立ち上げた訳ですよね。どのようなキッカケで立ち上げようと思ったのですか?

山本:会社内でサービスを作るがあまり、個人で作る事がさぼりがちになってしまったからです。

リクルート内でもマッシュアップアワード(開発コンテスト)などの担当になって、エンジニアが楽しそうに個人開発でサービスを作っているのを見ることになったのですが、それに触発されて。

「やっぱり、こっちの世界に戻らないといけないな」と思い、個人でもう一度、本気でやろうと思い生まれたのが「CoffeeMeeting」でした。

- なるほど。ちなみに「CoffeeMeeting」のアイデアはどこから来たんですか

山本:海外、そして日本でもFacebookを使って、お互いに本名と素性が分かった状態で接点の無い人に会い、何かしようという“ソーシャルマッチングサービス”が流行っていたので。

その領域でサービスを作ってみたいと思ったんです。自分の作りたいものを作ったというよりは、トレンド、そしてユーザーニーズはかなり意識しましたね。

でも、自分でも使えるものがいいなと思っていたので、「お茶するくらいだったら自分でもできるかな」、と。

自分がターゲットであるサービスは、作っていて面白い。

- その後、“フレンドトス”という、友人の友人同士を結びつけるようなサービスも手がけましたが、どういう発想の変化があったのですか?

山本:コーヒーミーティングで様々なユーザーの方々にお会いしている中で、「1対1でいきなり人と会うのは怖い人もいる」みたいな意見があったんです。じゃあ、間に共通の友人を挟んで、3人で会うのがいいんじゃないかと思い、作りました。

ただ、これは失敗でしたね(笑)。僕の場合は、自分のニーズでサービスを作らないとダメだということに気づけたのは良かったです。

- 現在は1対1の原点に戻ってやっているということですか。

山本:そうなんですよ。フレンドトスの全部逆やってやろうという事で。誰も使えないだろ、自分しか使えないだろ(笑)という勢いで。「世間をざわつかせてやる」みたいな。

- その結果、TimeTicketはかなり話題になりましたね。私の周りにも、活用している友人がたくさん居ます。

山本:これは個人の空き時間を売買できるサービスなんですが、買い手ではなく売り手のユーザビリティだけを考えてサービスを作りましたね。売り手が3ステップで簡単に出品できるようにしたんですが、反応は良かったです。

結果的に、「このサービス面白い!」という、主体的ないいシェアをたくさん頂けましたね。あと、「自分の1時間を売ります」だけではなく、「この売り上げの●●%をNPOに寄付します」という一文を入れたんですね。これがシェアされる上ですごく意味があったなと。

例えば、「1時間1000円で僕の経験を売ります」だけですと、すごく感じの悪い人に見えると思うんです(笑)。でも、寄付の一文を加えることで、「自分の知識やスキルを売るのではなく、シェアしようとしているんだな」ということが伝わったのかなと思います。

- たしかに、自分の利害のためだけではない、ということが見える化されたことで広がっていくというのは納得できますね・

インタビュー後編は11月20日に公開予定です。